感想


出場するマシンがないと思われていた今年の人間乗車クラスですが、大会直前に私を含め3台がエントリー。記録はこれまでほどではあり ませんでしたが、3台とも今までのものよりもエンジン、車体ともに小さく、人間乗車クラスの敷居を下げることができた意義ある大会だったと思います。

私が乗って運転したのでは絵にならないと家族が言うので娘に運転してもらうことにしましたが、結果的にこれがよかったと思います。ラジコンカーで台車に 乗った人間を引っ張るという、一見うまくいかなそうなコンセプトと相まって、見ていた人たちにインパクトを与えられたのではないかと思います。

走行中

昨年から取り組んでいる水平対向4気筒エンジンですが、1年目に分かった様々な問題を改良して、性能はかなり向上しました。熱源もエンジンの大きさも昨年 と同じ、車体重量もほぼ同じですが、ラジコンカーで走らせたときのトルクが随分高くなったように感じました。今年改良したヒータ、クーラの効果があったの だと考えています。

燃料が小さいカセットボンベ1つなので、1時間の走行周回数を競う人間乗車クラスで最後まで走れるとは思っていなかったのですが、ボルトが折れて止まって しまったのは、今年のエンジンを象徴していました。

元々小さいエンジンを設計していたので、構造を間違えなければあまり剛性を気にする必要がありませんでした。摩擦を減らすために軸はできるだけ細く、軽量 化のために部品はできるだけ薄く作るようにしていました。しかし今年は大会当日を含め、鉄のボルトを3本折りました。エンジンが大きくなり、自分の感覚と エンジンの剛性のバランスが変わって来ているのを感じました。

走行中2

今年は私の恩師、中島尚正先生が大会委員長としていらっしゃったので、いろいろとお話しさせていただく時間がありました。中島先生の指導のもと初めてス ターリングエンジンを作ったのは第1回スターリングテクノラリーのときでしたが、それから18年が経ち、作られるエンジンのレベルが飛躍的に高くなったこ とを改めて感じました。

2015年11月11日

チームスタッフ紹介

第19回スターリングテクノラリー記録

第19回スターリングテク ノ ラリー参戦記